ＷＭＦ2006年1月20日⑥

ＷＭＦ/2006.1.20/東京・新木場１ｓｔＲＩＮＧ⑥

◎第6試合　世代闘争　時間無制限1本勝負
　ミスター雁之助＆ＧＯＥＭＯＮ＆中嶋勝彦[健介OFFICE]
vs
ソルジャー＆藤田峰雄＆椹木健二
　○ＧＯＥＭＯＮ(27分16秒　雁之助クラッチ)藤田峰雄●
★セミまでの5試合はかなり濃厚だったのですが,メインも濃かった。"世代闘争"と掲げられたこの試合。最初は世代闘争だった...が。序盤は若手軍が奇襲や勢いでガンガン攻め込んでいきました。しかし中盤になるやベテラン勢の老獪さと,中嶋選手の凄みで形勢逆転。そして,終盤には一人攻め続けられる椹木選手。
雁之助選手は厳しかった。攻めのエグさは凄まじかった。まさに鬼神道でした。ＧＯＥＭＯＮ選手は上手かった。今回は若手相手なので,受けの上手さよりも攻めの上手さが目立ちました。椹木選手の一番大事な時間帯で,一番キツイ胃袋に攻撃を集中したりうっとりです。グランドでの確かさも素晴らしい。それとポジションどりも素晴らしい。こういう試合では,いかに自軍のコーナーに寄って闘うかってのを魅せてくれました。一歩踏み込めば展開が変わるっていう職人芸には脱帽ですね。中嶋選手は違いましたね。やっぱ凄いっすは。正直凄かった。体の厚みが凄い。特にケツと太もも。相当鍛えてるってのが伝わりました。なので蹴りも凄い。ちょっとビックリなインパクトでした。そして,タッチワークが上手いのなんのでビックリです。表情も素晴らしいし,本当に末恐ろしいっす。
ソルジャー選手は司令塔として厳しい激を飛ばしたり。自らもインサイドワークの上手さや,豪快なムーブを魅せてくれました。藤田選手は素晴らしい。なかなか倒れなくなったし,技の出しどころも素晴らしいっす。飛び技も凄いキレですね。椹木選手はこの試合のＭＶＰ。相当受けて粘りました。雁之助選手の俵返しみたいな技が頭から垂直に落ちた時は死んだんじゃねえと思いましたが,それからもよく頑張りました。人間の限界を超えてた気がします。そして失礼だが,風貌に似あわず美しい空中弾。トップロープのケブラダ。天井から落ちるようなムーンサルトプレス。本当素晴らしかったです。
さて試合は終盤椹木選手がローンバトルをしいられました。なんとか反撃し交代するも,ダメージが回復する前に再登場。明らかに動きが落ちていました。ジャンプ力も半減してたし...もうちょっと休んでいれば...。その後も一人攻めまくられる椹木選手。自軍のコーナーからは厳しい激こそ飛ぶものの,カットにも入ってもらえず。それでも自ら肩を上げた耐えまくる。もう凄い頑張りに家内は反泣き,僕も声援に熱が入りました。なんとか自力でピンチを脱出するも,もう立ち上がる事も出来ない椹木選手。でも素晴らしかったです。この結果大事な勝負どころで2対3となった若手軍。最後は藤田選手がＧＯＥＭＯＮ選手も虚をついた雁之助クラッチに3カウントを奪われました。試合後は中嶋選手が四方に礼をしてさっさと去っていきました。そして雁之助選手がソルジャー選手に手を差し伸べる...が拒絶。そして,逆鱗に触れるソルジャー選手のマイク。すると雁之助選手が正真正銘の鬼神道へと変貌。雁州だか鬼神だかわからいけど凄い圧力。で,大乱闘がありソルジャー選手は結局流血ＫＯされてしまいました。
その後マイクでもっともらしい事を言うソルジャー選手と藤田選手。ですが,試合でもっと頑張って欲しかった。世代闘争って試合なら勝ち負けは重要です。まして若手軍は勝ちに拘らなければいけないはず。が,椹木選手を見殺しにした。椹木選手を育てるような試合をした。それは違うと思う。マイクで世代闘争を言うなら,椹木選手を見殺しにせず早めのタッチやカットプレーに行くべきだった。作戦だったのかもしれないがもっと勝ちにこだわって欲しかった。だから試合後のマイクは説得力が無かった。拍手もまばらだった。そして観客達は終わった後も残った。椹木選手が立つまで待った。そしてボロボロながら立ち上がった椹木選手に心のこもった拍手が注がれた。久々にあんな激しい潰しのプロレスを観た。それに耐えた椹木選手がこの試合の勝者だ。最後に立っていられなくても勝者だ。助けてくれなかった先輩達。叩き潰しに来た先輩達。そして若いながら強すぎた中嶋選手。そんな中,観客は椹木選手を待った。マイクを握れなくても待った。彼に拍手を贈る為待った。マイクなど出来なくても椹木選手の心意気は間違いなくこの日いたファンには伝わりました。少なくとも僕はそうだ。こんな怖い思いしても"頑張れ"ってしか言えない僕らですが,本当心の底からありがとうって言いたいです。ありがとう椹木選手!!