格闘探偵団バトラーツ/2011.03.21/東京・板橋グリーンホール⑤

◎第5試合 時間無制限1本勝負
 ○石川雄規(18分09秒 レフェリーストップ)矢野啓太●
 *スリーパー・ホールド
★メインは唐突に組まれた感のある石川選手と矢野選手の師弟対決。
“そして今回どうしても中止、延期したくない事情も別にあるのだ。”...その意味は,果たしてこの試合の中にあるのか?
矢野選手は絶賛三冠王として誇りある三本のベルトを腰に巻き,いつものペイント姿で入場。 解散に向け走り出したバトラーツ,バトラーツファンにとって希望の光である矢野選手の入場は神々しくもあった。
対する石川選手は小猪木選手を従え入場。 ガウンを来たメインイベンターが赤ラグTシャツの若手を従え入場...やっぱそういう光景ってイイね。
試合は公式記録では30分1本勝負となっているが,和田レフェリーから無制限1本勝負と両選手に伝えられた。 次にJWPさんの興行もあるので,石川選手は困惑していたが,結局そのまま無制限1本勝負で試合開始。
石川選手が困惑したのには,JWPさんに迷惑をかけるという事もあるが,矢野選手のロングマッチの上手さを考えての事もあるのだろう。
石川選手,矢野選手共に独特の世界観を作り出し,自分の世界で相手や客席を飲み込んでしまう凄い選手達だ。 特に矢野選手はキャリアでは考えられない程の世界観を持つ天才。
タッグマッチで両者の世界観の食い合いはあったが,シングマッチとなると,更にその世界観の食い合いにも興味がいってしまう。
試合ではお互いの世界観が見事に融合し,濃厚で緻密なグランドレスリングを中心に試合が構築されていく。 バトラーツの核にせまるような試合は,観客を集中させた。
会場は静まり返り固唾を飲んで両者の攻防を食い入るように観る...これぞバトラーツの世界観。 グランドでの小さな動きからも目が離せない。 これは本当に面白いプロレスなんだ!!
そんな中で繰り出される打撃や投げ技は凄みを増す...技が過激にならなくてもプロレスは面白いんだよね♪
石川選手は成長した弟子矢野選手に悪戦苦闘しながらも,どこか楽しそうな雰囲気。 ある意味余裕があったようにも映ったが,実際はどうだかわからない。
対する矢野選手はグランドでも色々なエッセンスを取り入れ石川選手を攻め込んでいった。 特にフットチョーク系の技が冴え渡っていた。
そして泥臭く己の総てをぶつけるかのように闘った。 頭突きや体全体で放ったケイチャンボンバー等,並々ならぬ闘志だった。
とにかく濃密濃厚な試合は一瞬も目が離せなかった。
最後は延髄斬りを炸裂させた石川選手が,矢野選手を魔性のスリーパーで落し勝利した。
試合後は両者が正座し礼をし健闘を称え合う...というより矢野選手が師匠に 感謝し,師匠の石川選手が矢野選手を称えているかのようだった。 いつも去り際が美しい矢野選手の,こういった姿は珍しい...やはり師匠との一騎討ちには感慨深いものがあるのだろう。
終わってみれば石川選手の完勝だったのかな? 矢野選手も日々成長し強くなっているが,やはり師匠石川選手は強かった。 強かったからこそ越える為に強くなる...益々矢野選手は強くなるだろう。 次に矢野選手が石川選手と一騎討ち行う時が楽しみだ。


矢野選手






石川選手


師弟対決








絡み合うグランド戦






フット・チョーク




変形腕固め


変形腹固め


吊り天井と見せかけキック


フット・チョーク式の三角絞め


スタンディング・アキレス腱固め






キャメルクラッチ式フェイスロック




脇固め


足掛けC・W・アームロック






スリーパー・ホールド


レッグ・ロック


腕ひしぎ十字固め


三角絞め


延髄斬り


フィニッシュは,魔性のスリーパー






互いに礼






矢野啓太バトラーツ所属最終戦終了

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