格闘探偵団バトラーツ/2011.01.23/東京・北千住THEATRE1010・ミニシアター⑧

◎第8試合 B-RULE TOURNAMENT 2011・優勝決定戦 15分1本勝負
○山本裕次郎[チーム太田章](ポイント差判定1-0)矢野啓太●
※山本裕次郎がB-RULE TOURNAMENT 2011優勝!!

★メインは,いよいよトーナメント決勝戦。
決勝戦のみルールが若干違うので改めて説明。

【Bルール・トーナメント】 ※公式発表より
□試合時間は10分とする。(決勝戦は15分)
□打撃は禁止 組技,投げ技,関節技のみ有効とする。
□勝敗はギブアップ,レフリーストップ,ポイント差による判定により決する。
■ポイントについて
1.両選手“合わせて”5ポイントを持つ。
2.関節技等で自らが危険な場合,自らの意志によりロープに触れればブレイクが認められる。(ロープエスケープ)
 この場合、ロストポイントが1ポイントが消費される。
3.両選手合わせて5つのロストポイントを消費した場合,次からはロープエスケープは認められない。
 つまりロープに逃げてもブレイクは認められず,ギブアップをするしかなくなる。
4.制限時間内にギブアップ決着がつかなかった場合。
 A:ポイント差がある場合 相手から多くエスケープポイントを奪った方が勝ち。
 B:同ポイントの場合 “ファーストエスケープ”を奪った方が勝ち。
 C:ポイントが両者0の場合 (ハンデ僅差として)体重の軽い方が勝ち

4.Cが無くなり,これにプラスして
 D:ポイントが両者0の場合,2分間の延長戦を行う。
 延長戦でもポイントが両者0の場合は,ジャッジによる判定で勝敗が決する。
 ジャッジは,レフェリーのマーティー浅見,石川雄規の2名が行う。
 ジャッジの基準は 1.シュートポジションの多さ 2.トップポジションの多さ とする。


最後の最後まで試合がもつれれば複雑になるが,基本はいままでと同じ...だが,試合時間が5分長くなる事で戦術もより重要になってくる。
そんな過酷の決勝戦...プロレスは強い奴らが生き残る!!
実績から別々のブロックに最初から分けられた矢野選手と山本選手が結果的に実力差を魅せつけ決勝で激突。 大波乱は無かったが,強い選手が勝ち進むってのは当然ながら,強さに対しぬるくなったプロレス界にとって貴重な事だ。
試合では両者意地と技術をぶつけ合い最高の試合を魅せてくれた。
山本選手には沢山のセコンドが付き,的確な指示や激が多く飛ばされた。 そういったセコンド陣の協力も大事だっただろう。
対する矢野選手のセコンドは竹嶋選手と三州選手がついたが,指示を飛ばす事もほとんど無く,なんとなく ホームなのにアウェイな感じの矢野選手。
なんとなく孤独な闘いに感じた...王者ってのは孤独なもんだからね。 だからこそ,矢野選手にはバトラーツファンから声援が富んだ。
セコンドの声とファンの声援をそれぞれ力に変え,両者は闘った。
15分の間,一度も緊張感が途切れない緻密なグランド戦は,選手は勿論,観客の集中力も多いに奪う消耗戦だった。 最後は山本選手が時間切れながらポイント差で勝利し,見事二連覇を果たした。
15分の中で,たった1度のエスケープが明暗を分けた。 普段のプロレスで何度も行われるロープエスケープだが,その本質を,大事さを認識させれれる結果だった。 Bルールだからこそってのあるけどね。
とにかくBルールの素晴らしさを堪能出来る素晴らしい試合だった。 極めさせない意地と,極めに行く意地...ゲーム性の中に潜む激情も素晴らしいエッセンスだったね。
試合後も涙のマイク等,山本選手が主役となったBルール・トーナメントだったが,個人的には矢野選手のBルール・トーナメントだった。 やはりバトラーツの選手に最後のBルール・トーナメントは優勝して欲しかった。 だって俺はバトファンだから。
きっと矢野選手もそうだったと勝手に思って見てた。 三冠王者でも,他の何でも無くバトラーツの選手としてバトラーツ主催のトーナメントを制覇したかったはずだ。
と,思いながら観てたから膝十字固めでファーストエスケープするしないで悶絶し葛藤する矢野選手の姿に胸が熱くなったよ。 まあ勝手に思ってるだけなんだけど,そういう風に想像させたり思わせたりする矢野選手は凄いし。 普段クールな感じの矢野選手から,ウェットな気持ちを引き出されるとは正直思わなかった。
昨年と同じ決勝戦の顔合わせで,同じように山本選手がトーナメントを制した。 昨年の矢野選手は負けても満足気に写真撮影に加わっていたが,今年は加わる事は無かった。
試合後悔しそうに引き上げ,記念撮影にも姿を魅せない矢野選手の無念さや悔しさや想い... 一方的な俺の想いだけど,本当に感動したし,バトを背負った生き様(死に様)を魅せてくれてありがとうって言いたい。
山本選手には「おめでとう」と,矢野選手には「ありがとう」と言いたい素晴らしい決勝戦だった。


矢野選手


三冠王者


山本選手






















アキレス腱固め




伸びきった足が極められて行く...


膝十字固めで無念のエスケープ










試合終了


雄叫びを上げ倒れこんだ矢野選手

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