格闘探偵団バトラーツ/2011.01.23/東京・北千住THEATRE1010・ミニシアター⑦

◎第7試合 スペシャルBルールタッグマッチ 15分1本勝負
 石川雄規&澤 宗紀(●ポイント差判定2-3○)アレクサンダー大塚[AO/DC]&鈴木秀樹[UWFスネークピットジャパン]
★セミはトーナメント出場選手より,実力的に上な選手達によるBルールでのタッグマッチ。
通常のBルールのシングルマッチよりもルールが複雑なので,一応説明。

【Bルールタッグ】 ※公式発表より
□両チーム合わせて5回のロープエスケープがみとめられる。
□タッグロープをつかみ,タッチをすれば選手交代が認められる。
 この場合,トップロープ越しに限らず,ロープ間から手を伸ばしてのタッチも有効とする。
□タッチが認められた場合,リング内にいる両選手は5カウント以内にブレイクする。
 (タッチ後5カウント以内なら二人がかりの攻撃も有りうるということ)
□勝敗はギブアップ者退場形式とし,どちらかのチームが時間内に2人ともギブアップをした場合に決着。
 時間切れの際はポイント差による判定で決する。
■ポイントについて
 A:残り人数の多いチームが勝利。
 B:残り人数が同じ場合,エスケープポイントを多く奪ったチームが勝利。
 C:同じポイントの場合,ファーストエスケープを奪ったチームが勝利。


複雑で難しいルールだが,シングルマッチ同様ゲーム性が高く戦略が大事になる試合形式だ。 だが試合終盤には...。
トランプがもたらした運命の悪戯か石川&澤組という変態デモクラシーと,アレク&鈴木組という殺人スープレックスコンビの対戦となった。
澤選手は師匠石川選手と闘いたかったらしいが,まぁ観てる方からすればバトラーツvs外敵という解り易く燃える顔合わせだ。
KO決着が無くても殺人スープレックスで失神させられ関節技を極められれば,それはそれは恐ろしい結末に。 故に変態デモクラシーにとっては緻密なグランド戦と殺人スープレックスという二つの恐るべき物と闘わなければならない。
更に澤選手は肉体が着実にパワーアップしてるとは言え,他の三選手と比べると体格差は一目瞭然。 体格差の攻略や実績も含め澤選手には厳しい闘いとなった。
実際,勝負を左右するエスケープを澤選手は一度も奪えなかった。 それどころか試合での印象も一番薄かった。
元気者で勢いがある澤選手を輝かさせず,ギラギラと輝いた石川選手とアレク選手は流石バトラーツの先人って感じだが, 鈴木選手に関しては,やはり怪物なんだろう。 試合中の動きは勿論,口撃も冴え渡っていたし,無法地帯と化したリングでも率先して暴れていた。
それでもやはり石川選手と澤選手に勝って貰いたかった。
だが殺人スープレックスコンビは強かった!! なにせ殺人スープレックスを食らわない為に,石川選手がエスケープして阻止するというBルールならではの展開すら出現したからね。 喰らった者だけが解る恐怖なのだろう。
試合では両チームの口撃等で楽しい感じも有り,緻密なグランド戦に息を飲む事もあり,我々観客はありとあらゆる感情を引き出された。
特に足でのタッチが納得行かないアレク選手の表情には,石川選手も笑いをこらえ切れなかったほど...真剣勝負ゆえに出た面白さだったね。 確かにルールではタッチロープを掴むとは言われてるが,手だけとは言ってないのだが...。
アレク選手のブログを読んでると解るだろうが,かなり強い正義感を持っている人だけに納得行かなかったのだろう。 だが,正義感が強くてもプロレスラー!その後アレク選手も足でタッチを成立させたり,タッチロープを掴まずにタッチもしてた(笑)。
Bルールの面白さが随所に観られ,観てる観客も,やってる選手達も楽しそう♪ タッチ後の5秒のブレイクタイムも試合をおおいに盛り上げたね。 5秒以内なら二人がかかりでも攻撃出来るのだから,それを使わない手は無い。
これを上手く利用したのは殺人スープレックスコンビだった。 序盤からクイックタッチで石川選手を痛めつけ,終盤は澤選手に鈴木選手がお卍固めをわざとかけさせ,複雑な技故にかけた澤選手が動けないのを 利用して攻撃するという凄い戦術も出現した。
最終的にエキサイトした男達は誰も止められず,最後の最後は4選手がリング上で戦うアルティメットクラッシュ的な形式にレフェリーも容認。 そしてBルールなのに通常ルール以上のバチバチ感。
複雑なルールがレッツ!モーレツ!バトラーツ!的な雰囲気をBルールながらも醸し出す。 そのまま時間切れとなり,エスケープを三つ奪った殺人スープレックスコンビが勝利した。
もう最高に面白かった!!
面白すぎた...だが,試合が面白くなればなるほど,Bルールなのにバトらしくなればなるほど寂しい気持ちになった。 こんなに面白いプロレスも,もうすぐ観れなくなるんだって...。
けど,バトラーツは無くなっても,選手がいなくなる訳じゃないし,こういった本物の技術は決して 無くなりはしないと信じ,次の試合を楽しみにしよう。
















5秒のブレイクタイム中


5秒以内なら二人がかりもOK


上手く利用する殺人スープレックスコンビ


さしもの石川選手も凌ぐのに必死




アキレス腱固め


変態デモクラシーもブレイクタイムを利用


戦慄のジャーマンを必死に阻止


トリッキーな動き合い


投げ...れない




ダブルアーム・スープレックス


足でタッチ


納得いかないアレク選手の表情に,石川選手も笑いを堪えられず














ストレート・アームバー


V1アームロック


お卍固め






胴絞めスリーパー・ホールド


卍固め






四選手入り乱れ


試合終了




試合後もやりあう...二匹の蛇がお互いの尻尾を食い合うように


ロープに絡まった澤選手へ鈴木選手がドロップキック

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